サッカー日本代表2021全日程と放送網羅|地上波消滅とDAZN独占の真相
2021年は、延期された東京五輪の開催やカタールワールドカップ出場をかけたアジア最終予選の開幕など、日本サッカー界にとって激動の1年となりました。森保一監督率いる日本代表(森保ジャパン)が数々の試練に直面するなか、ピッチ上の熱戦と同じくファンの間で最大の関心事となったのが「テレビ放送・視聴環境の激変」です。
かつては「代表戦=地上波ゴールデンタイムの生中継」が当たり前だった日本において、2021年秋のアジア最終予選アウェイ戦から突如として地上波中継が姿を消し、スポーツ動画配信サービス「DAZN」による独占有料配信へと舵が切られました。本稿では、2021年に開催された全試合の日程・結果を網羅するとともに、なぜアウェイ戦が地上波で放送されなくなったのか、その背景にある放映権ビジネスの構造と真相を徹底解剖します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:2021年秋に開幕したカタールW杯アジア最終予選は、ホーム戦がテレビ朝日系列等で地上波放送された一方、アウェイ戦全5試合はDAZNの独占配信となった。
- 要点2:地上波からアウェイ中継が消えた背景には、アジアサッカー連盟(AFC)主導による放映権料の国際的な高騰と、民放キー局の広告採算性の限界があった。
- 要点3:初戦オマーン戦敗戦などの崖っぷちから、4-3-3への戦術転換や三笘薫・伊東純也の躍動で巻き返した2021年は、日本のスポーツ視聴が「無料放送からサブスク配信へ」完全移行した歴史的転換点である。
【激動のスケジュール】サッカー日本代表2021年の全日程とテレビ放送・ネット配信実績
2021年の日本代表は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期されていた2次予選の消化から始まり、夏の東京五輪(U-24日本代表)、そして秋の最終予選へと続く過密日程を戦い抜きました。主要な公式戦および国際親善試合の全スケジュールと、当時のテレビ放送・配信状況は下表の通りです。
| 開催日・大会区分 | 対戦カード・試合結果 | テレビ放送(地上波/BS) | ネット配信プラットフォーム |
|---|---|---|---|
| 3月25日 国際親善試合 | 日本 3-0 韓国 (日産スタジアム) | 日本テレビ系列(生中継) | TVer(ライブ配信) |
| 3月30日 W杯アジア2次予選 | モンゴル 0-14 日本 (フクアリ ※集中開催) | フジテレビ系列(生中継) | TVer(ライブ配信) |
| 5月28日〜6月15日 W杯アジア2次予選 | ミャンマー、タジキスタン、キルギス戦(全勝) | 日本テレビ、フジテレビ、TBS系列 | 民放各社配信プラットフォーム |
| 7月22日〜8月6日 東京五輪 男子サッカー | U-24日本代表 (最終成績:4位) | NHK、テレビ朝日、日本テレビ系列等 | gorin.jp、NHKプラス |
| 9月2日 最終予選 第1戦 | 日本 0-1 オマーン (吹田スタジアム) | テレビ朝日系列(生中継) | DAZN(ライブ配信) |
| 9月7日 最終予選 第2戦 | 中国 0-1 日本 (中立地・ドーハ) | 地上波放送なし | DAZN独占生配信 |
| 10月7日 最終予選 第3戦 | サウジアラビア 1-0 日本 (アウェイ・ジッダ) | 地上波放送なし | DAZN独占生配信 |
| 10月12日 最終予選 第4戦 | 日本 2-1 オーストラリア (埼玉スタジアム2002) | テレビ朝日系列(生中継) | DAZN(ライブ配信) |
| 11月11日 最終予選 第5戦 | ベトナム 0-1 日本 (アウェイ・ハノイ) | 地上波放送なし | DAZN独占生配信 |
| 11月16日 最終予選 第6戦 | オマーン 0-1 日本 (アウェイ・マスカット) | 地上波放送なし | DAZN独占生配信 |
上半期は国内開催の親善試合や2次予選を中心に地上波民放各局が中継を担当していましたが、9月に開幕したアジア最終予選からは、「ホーム戦はテレビ朝日系列+DAZN」「アウェイ戦はDAZN独占」という明確な棲み分けが敷かれることになりました。

なぜアウェイ戦は地上波なしだったのか?DAZN独占配信の裏にある放映権高騰の構造
ワールドカップ予選という国民的関心事でありながら、なぜ民放キー局やNHKはアウェイ戦の生中継から撤退せざるを得なかったのでしょうか。その深層には、アジアサッカー連盟(AFC)主導による放映権ビジネスのグローバル化と急激なインフレが存在します。
従来のワールドカップアジア予選では、日本国内で開催されるホームゲームの権利は日本サッカー協会(JFA)が保有し、アウェイゲームの権利は対戦国側の協会や仲介代理店から個別に日本のテレビ局が買い取る形式が一般的でした。しかし、AFCは2021年〜2028年シーズンの主催大会(W杯アジア予選、アジアカップ、ACLなど)の放映・商業権を、スイスに拠点を置く代理店「FMA(Football Marketing Asia)」を通じて長期・一括パッケージ契約として販売する方針へと転換しました。
この8年間に及ぶメガパッケージの契約総額は数百億円規模に跳ね上がったと報道されており、テレビ広告市場の構造変化に直面していた地上波民放各局にとっては、深夜帯にキックオフされるアウェイ戦単体での採算確保が極めて困難となりました。推定される数億〜十数億円規模の放映権料に対し、深夜枠で得られるタイムCM枠の広告収入では莫大な赤字が発生するリスクが高まったためです。
そこに名乗りを上げたのが、日本市場での会員基盤拡大を狙うスポーツOTT大手のDAZN(ダゾーン)でした。DAZNはAFC主催大会の包括的独占放映権(ホーム戦の地上波サブライセンス権を除く)を獲得。この結果、地上波局がアウェイ戦のサブライセンスを買い取ることができず、「アウェイはDAZN独占、地上波完全消滅」という前代未聞の事態が現実となりました。
崖っぷちからシステム変更へ|森保ジャパン2021年の試合結果と戦術的転換点
放送環境の激変と歩調を合わせるかのように、ピッチ上の森保ジャパンも2021年秋、就任以来最大の危機とドラマチックな戦術転換を経験しました。
2021年9月2日、パナソニックスタジアム吹田で行われた最終予選初戦のオマーン戦で、日本は相手の組織的な守備とカウンターに屈し、まさかの0-1で敗戦。続く中立地ドーハでの中国戦には辛勝(1-0)したものの、10月7日のアウェイ・サウジアラビア戦ではバックパスのミスから失点を喫し、0-1の完敗を喫しました。
開幕3試合で「1勝2敗・勝ち点3」という、歴代の日本代表でも類を見ない崖っぷちに立たされた森保一監督は、10月12日のホーム・オーストラリア戦で従来の「4-2-3-1」から「4-3-3」への電撃的なフォーメーション変更を決断します。遠藤航、守田英正、田中碧の3人を中盤に並べた中盤の三角形が機能し、田中碧の先制ゴールと試合終了間際のオウンゴール誘発によって2-1で劇的な勝利を収めました。
さらに11月のアウェイ2連戦(ベトナム戦、オマーン戦)では、伊東純也の圧倒的な縦への突破力と決定力が爆発。11月16日のオマーン戦では、後半頭から投入された三笘薫が代表デビュー戦で圧巻のドリブル突破を見せ、伊東の決勝ゴールをアシストしました。この戦術的シフトと新戦力の台頭が、後のカタールワールドカップ本大会でのドイツ・スペイン撃破へとつながる重要な礎となったのです。

【実態検証】「テレビで見られない」ファンの悲鳴とネット中継への移行実態
アウェイ戦の地上波放送なしという事態は、日本のサッカーファンコミュニティや一般視聴者に大きな衝撃を与え、SNS上では連日激しい議論が巻き起こりました。
当時、Twitter(現X)や5ちゃんねる、Yahoo!ニュースのコメント欄では「テレビをつけたらやっていなくて驚いた」「有料会員にならないと代表戦すら見られないのか」といった戸惑いの声が殺到。特に、地上波の生中継を通じてライト層を取り込んできた日本サッカーの普及モデルにおいて、「若年層やライト層の代表離れを招くのではないか」という懸念がサッカー関係者やメディアの間で深刻に語られました。
一方で、DAZN側はアウェイ戦の配信に際し、矢部浩之氏(ナインティナイン)や元日本代表選手らを起用した特別実況・解説プログラム「やべっちスタジアム連動企画」や「裏チャンネル」を用意するなど、デジタル配信ならではの付加価値を提供しました。無料体験期間を活用して視聴するファンや、スポーツバーに集まって観戦するサポーターが急増するなど、「スポーツ中継をネット配信で課金して観る」という新たな視聴習慣が社会全体に急速に浸透する契機となったのも事実です。
一般に知られていない放映権ビジネスの盲点とネットの誤解
2021年の放映問題を巡っては、現在でもネット上でいくつかの誤解が散見されます。正確なファクトに基づいてこれらを検証します。
第1の誤解は、「日本サッカー協会(JFA)が放映権をDAZNに売り渡した」という言説です。前述の通り、ワールドカップ最終予選の放映権を管轄しているのはJFAではなくアジアサッカー連盟(AFC)です。JFAにはアウェイゲームの放映権を地上波局に割り当てる権限は一切なく、協会の意向で地上波放送を止めたわけではありません。
第2の誤解は、「テレビ朝日などの地上波キー局がサッカー中継への意欲を失った」という見方です。テレビ朝日をはじめとする民放各局は長年にわたり日本代表を強力にバックアップしてきましたが、数十億円規模に膨らんだ放映権パッケージの費用対効果が、視聴率や広告出稿のビジネスモデルと完全に乖離してしまったことが最大の要因です。局側の熱意の問題ではなく、放映権の国際的なインフレという冷酷な経済原理が地上波撤退をもたらしました。
【プロの結論】有料配信時代におけるスポーツ観戦文化の変容とファンの選択基準
2021年の出来事は、日本のスポーツメディア史における不可逆的なパラダイムシフトを象徴しています。欧米ではすでに日常化していた「プレミアムなスポーツコンテンツは有料課金(PPV/サブスク)で視聴する」という市場構造が、日本にも本格的に上陸した瞬間でした。
この変化を踏まえ、現代のスポーツファンには以下の明確な選択基準が求められています。
- DAZN等の有料サブスクリプション加入が推奨される層:代表戦の全試合(アウェイ含む)を生中継でフルタイム追いたい熱心なコアファン、戦術分析や詳細なプレビュー・レビュー番組まで深く楽しみたい層、海外リーグやJリーグも日常的に視聴するサポーター。
- 地上波ハイブリッド・無料枠活用で十分な層:国内開催のホーム戦や主要大会本大会のみを気軽に楽しみたいライトファン、公式YouTube等のハイライト映像やニュース番組のダイジェストで要点だけを把握したい層。
放映権の高騰が続く以上、代表戦がすべて地上波で無料放送されていた時代へ戻る可能性は極めて低いと言えます。ファン自身がコンテンツの価値を見極め、自身のライフスタイルに合った視聴プラットフォームを賢く取捨選択する姿勢が不可欠です。

【サッカー日本代表 日程 2021 放送】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2021年のワールドカップ最終予選で、アウェイ戦が見逃し配信で無料視聴できる方法はありましたか?
A1:当時、DAZNが提供していた「1ヶ月無料トライアルキャンペーン」(※新規登録者対象)を利用することで、期間内であれば無料で生中継および見逃し配信を視聴することが可能でした。また、DAZN公式YouTubeチャンネルでは、試合終了後に数分間のハイライト動画が無料公開されていました。
Q2:2021年の日本代表戦で、テレビ朝日系列が生中継したのはどの試合ですか?
A2:最終予選においては、日本国内で開催されたホームゲーム(9月2日のオマーン戦、10月12日のオーストラリア戦など)がテレビ朝日系列で地上波生中継されました。また、3月〜6月のアジア2次予選では日本テレビ、TBS、フジテレビ系列なども中継を担当しました。
Q3:2021年当時の日本代表の主な招集メンバーは誰でしたか?
A3:キャプテンの吉田麻也をはじめ、長友佑都、酒井宏樹、遠藤航、大迫勇也、南野拓実、堂安律、鎌田大地らが主力として招集されました。また、秋の最終予選からは伊東純也がエース級の活躍を見せ、田中碧や守田英正、三笘薫、旗手怜央といった新世代が台頭しました。
まとめ:今後の動向と失敗しないための判断基準
2021年のサッカー日本代表は、東京五輪での激闘、最終予選での大逆転劇、そして地上波からネット配信への移行という、ピッチの内外で極めて密度の高い歴史を刻みました。
アウェイ戦の地上波消滅は多くのファンに衝撃を与えましたが、同時にOTTプラットフォームの利便性や専門的な番組作りの魅力を広く浸透させる契機にもなりました。スポーツコンテンツの有料化が進む時代だからこそ、各プラットフォームの配信予定やキャンペーン情報を正確に把握し、自分にとって最適な観戦スタイルを確立していくことが大切です。 (出典: サッカー日本代表 日程 2021 放送(Yahoo!ニュース))