ラベンダースティックの作り方完全解説!奇数本数の謎と失敗ゼロの編み技
初夏の庭やベランダを紫に染め上げ、心地よい清涼感のある香りを漂わせるラベンダー。収穫したばかりのフレッシュな花穂を茎ごとリボンで包み込んで編み上げる伝統的なクラフト「ラベンダースティック(別名:ラベンダーバンドルズ)」は、美しい見た目と実用的なアロマ効果を兼ね備えた人気のハンドメイドです。
南仏プロヴァンス地方発祥のこの知恵は、花びらが散るのを防ぎながら、乾燥後も数年にわたって豊かな芳香を放ち続ける優れた保存法でもあります。しかし、実際に挑戦した初心者からは「茎を折り曲げるときにポキッと折れた」「リボンを交互に通していたはずなのに途中で列が狂った」といったトラブルも頻発しています。本稿では、園芸・クラフトの専門家への取材と現場検証に基づき、失敗しない収穫のタイミングから100均リボンを使った高見えの編み方、香りを何年間も蘇らせるプロ直伝の裏技まで余すところなく解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:本数を必ず「奇数(9本・11本・13本など)」にする幾何学的な必然性と、失敗しないリボンの互い違い通しテクニックを公開。
- 要点2:ドライフラワーでは茎が硬化して作れないため、「開花直前の生花」を晴天の午前中に収穫することが成否を分ける絶対条件。
- 要点3:100均(ダイソー・セリア)の6mm幅サテンリボンで十分美しく仕上がり、乾燥後に香りが薄れても「優しく揉む」だけで数年間香りが復活する。
【失敗しない準備】ラベンダーの収穫時期と生花・ドライの決定的違い
ラベンダースティック作りにおいて、成功の8割を握っているのが「収穫のタイミング」と「素材の状態」です。一般的なドライフラワー感覚で手芸店や市販の乾燥花を使おうとすると、最初の工程で確実に失敗します。
生花とドライフラワーの決定的な違い
ラベンダースティックの最大の特徴は、花穂を芯にして「自身の茎を180度下向きに折り曲げて包み込む」構造にあります。乾燥したドライフラワーは茎の水分が抜けて繊維が硬化しているため、曲げた瞬間に例外なく折れてしまいます。したがって、「収穫した直後の水分をたっぷり含んだ柔軟な生花」を使うことが絶対条件となります。
ベストな収穫時期とタイミング
収穫に適したシーズンは地域によって異なりますが、一般的に5月下旬から7月上旬にかけてです。観察すべき重要な目安は以下の通りです。
- 開花状態:穂の下部の小花が1〜2輪咲き始めた「2分咲き〜3分咲き」または「開花直前のぷっくりと膨らんだ蕾」の状態。完全に満開になると、編んでいる最中に花粒がポロポロと落ちてしまいます。
- 収穫する時間帯:朝露が乾いた「晴天の日の午前中(9時〜11時頃)」。日が高くなると精油成分が揮発し、雨の日は余分な水分でカビの原因になります。
- 茎の長さ:折り曲げて持ち手を作るため、花穂の下から最低でも15cm〜20cm以上の茎の長さを確保してカットします。
茎がポキッと折れるのを防ぐ事前処理のコツ
収穫したての茎であっても、品種や太さによっては折り曲げ時に折れやすい場合があります。現場のハンドメイド作家が実践している予防策は、「収穫後、30分ほど置いて茎をわずかにしならせる」こと、そして「折り曲げる花首の付け根部分を、指の腹で軽く潰すように優しく揉んでおく」ことです。この下準備をするだけで、茎の繊維が柔らかくなり、驚くほど滑らかに曲げられるようになります。

【疑問を解明】ラベンダースティックの本数はなぜ「奇数」でなければならないのか?
レシピ本やクラフト動画を見ると、どの解説でも「本数は必ず9本、11本、13本などの奇数にしてください」と指定されています。これにはオカルトや縁起担ぎではない、明確な幾何学的理由が存在します。
ラベンダースティックは、折り返した茎を「竹籠」のようにリボンで1本ずつ「上・下・上・下……」と交互にくぐらせて編み進めます。
- 奇数本数の場合(例:11本):1周目(1番目=上、2番目=下…11番目=上)が終わると、2周目の1番目は自動的に「下」になり、編み目が互い違いに美しく交差します。
- 偶数本数の場合(例:10本):1周目の最後が「下」で終わると、2周目の1番目も再び「上」を通ることになり、何周回しても同じ茎の上(または下)をリボンが通り続け、籠状に編み上げることができません。
初心者におすすめの本数設定
本数が増えるほど完成形はふっくらとボリュームが出ますが、編む難易度も上がります。
- 9本(初心者向け):茎の間隔が広く、リボンを通しやすいため最初の1本に最適。すっきりとした細身のスティックに仕上がります。
- 11本〜13本(標準・おすすめ):花穂がしっかりと隠れ、最もバランスの取れた美しいフォルムと豊かな香りが楽しめます。
- 15本〜17本(上級者向け):大輪のラバンディン系などに向き、重厚感のある豪華な仕上がりになりますが、編み込み時のテンション管理に熟練を要します。
【材料・道具比較】100均リボンで高見えさせる選び方とおすすめ仕様
特別な高級手芸道具を揃える必要はありません。現在では、ダイソーやセリアなどの100円ショップで手に入るアイテムだけで、サロン級の完成度に仕上げることが可能です。
| 項目 | 推奨仕様・数値データ | 失敗しやすいNGパターン | 編集部の解説・選定理由 |
|---|---|---|---|
| リボン幅 | 6mm幅(推奨)または 9mm幅 | 3mm以下(隙間ができる) / 12mm以上(編みにくい) | 6mm幅は花穂の隙間を隠しつつ編み進めやすい黄金サイズ。 |
| リボンの素材 | 両面サテンリボン(ポリエステル製) | 片面サテン(裏面が出ると見栄え低下) / 硬いオーガンジー | 両面サテンなら編み込み中にリボンがねじれても裏表を気にする必要がありません。 |
| リボンの長さ | 120cm〜150cm(11本編みの場合) | 100cm未満(最後の結びリボンが足りなくなる) | 途中で継ぎ足すのは難しいため、長めに用意して余りを最後にカットするのが鉄則。 |
| ラベンダー品種 | イングリッシュ系(香り重視) / ラバンディン系(作りやすさ重視) | フレンチ系(花穂トップにヒラヒラがあり編みにくい) | ラバンディン系(グロッソ等)は茎が太く長く丈夫なため初心者に最も適しています。 |

【詳細手順】ラベンダーバンドルズの簡単な編み方ステップバイステップ
ここからは、初めての方でも迷わず作れる具体的なクラフト手順を5段階で解説します。
ステップ1:下処理(葉取りと長さ揃え)
収穫したラベンダーから奇数本(ここでは11本)を選びます。花穂の根元から下についている葉や小さな脇芽を、指でスッと優しくこそげ落とします。花穂の先端の位置を揃え、茎の長さを均一にして束ねます。
ステップ2:花首の結束
用意した130cmほどのリボンの端を25cm〜30cm程度残した位置で、花穂のすぐ下の茎に巻きつけます。ほどけないようにしっかりと固結び(または細い木綿糸や輪ゴムで仮留めしてからリボンを結ぶ)をします。このとき、短い方のリボン(約30cm)は後で持ち手を巻いたりリボン結びをするために下へ垂らしておきます。
ステップ3:茎を折り曲げて花を閉じ込める
結束部分を左手(利き手と逆)の親指と人差し指で持ちます。右手の親指の腹を使って、茎を1本ずつ外側へ向けて均等に傘を開くように下方向へ折り曲げていきます。すべての茎を折り曲げると、花穂が茎の「鳥かご」の中にすっぽりと包み込まれる形になります。
ステップ4:リボンの互い違い編み込み
長い方のリボンを使い、折り曲げた茎を「1本上、1本下、1本上、1本下……」と交互にくぐらせながら螺旋状に下へ編み進めます。
- 通し方のコツ:親指でリボンを軽く押さえながら、リボンがねじれないように平らな状態をキープして通します。
- 力加減(テンション):強く引っ張りすぎると茎が重なってしまい、緩すぎると乾燥後に中身がスカスカになります。「適度に密着させる」感覚で一定の力加減を保ちます。
- 花穂が隠れる位置(約5〜7cm)まで編み進めたら編み込みフェーズは完了です。
ステップ5:持ち手の仕上げとリボン結び
花穂の下端まで編み終わったら、残った茎を束ねるようにリボンをぐるぐると数回きつく巻き付けます。ステップ2で残しておいた短い方のリボンと合わせ、しっかり固結びをしてから可愛らしく蝶結び(リボン結び)を作ります。最後にバラバラになっている茎の末端をハサミで綺麗に切り揃えれば完成です。
一般に知られていない盲点とネットの誤解|失敗を招く3大トラップ
ネット上の簡易的なまとめ記事やSNS動画には、実践現場でトラブルにつながる誤った情報が一部散見されます。代表的な3つの誤解を是正しておきましょう。
誤解1:「完全に乾燥させてから編んだほうが長持ちする」
前述の通り、ドライフラワーを折り曲げることは不可能です。また、「編み終わった直後に密閉容器に入れて保管する」のもNGです。生花で作るため内部には水分が含まれています。完成後は風通しの良い日陰に1〜2週間吊るし、しっかりと内部まで自然乾燥させてください。湿気がこもると内部に白カビが発生する原因になります。
誤解2:「リボンは隙間なく極限まできつく編むべき」
「乾燥すると茎が細くなるから」と最初から極限まで強くリボンを締め上げる人がいますが、これは逆効果です。生花の茎は水分を多く含んでいるため、強い力で締め付けるとリボンのエッジで茎の表皮が削れ、編んでいる最中に折損してしまいます。「茎に沿わせるように優しくフィットさせる」程度が最も綺麗に仕上がります。
誤解3:「茎が1本折れたら最初から全部やり直し?」
もし途中で茎が1本ポキッと折れてしまっても、諦めて解く必要はありません。「折れた茎を花首の根元からハサミで切り落とし、対角にある茎も1本落として本数を2本減らす(例:13本→11本、11本→9本)」ことで、奇数を維持したままリカバリーが可能です。

【実態検証】香りを5年長持ちさせる裏技と驚きの使い道・飾り方
ラベンダースティックの最大の魅力は、その驚異的な芳香保持期間にあります。ポプリやサシェの香りは通常数ヶ月で抜けてしまいますが、ラベンダースティックは適切なケアを施すことで5年〜10年近く香りを持続させることができます。
香りを一瞬で復活させる「驚きの裏技」
ラベンダーの香り成分(リナロールや酢酸リナリル)は、花穂の表面にある微細な「精油腺(油胞)」の中に閉じ込められています。空気に触れている表面の油胞が揮発すると一時的に香りが弱まったように感じますが、内部には未破壊の油胞が無数に残っています。
- 香りの復活方法:リボンの上からスティックの膨らんだ部分を「指先で軽くモミモミと揉みほぐす」だけです。圧迫によって内部の油胞がプチプチと弾け、まるで作り立てのような濃厚でフレッシュな香りが瞬時に立ち上ります。
- 数年経過後のメンテナンス:揉んでも香りが弱くなってきた場合は、ラベンダー純正エッセンシャルオイル(精油)をリボンの結び目に1滴垂らすことで、半永久的にアロマスティックとして機能します。
天然の防虫・リラックス効果を活かしたおすすめの使い道
ラベンダーに含まれる成分には、高い鎮静・リラックス効果だけでなく、衣類を食べる害虫(ヒメカツオブシムシ等)に対する優れた天然の忌避効果(防虫効果)が科学的に実証されています。
- クローゼット・タンスの引き出し:衣装ケースに忍ばせることで、化学防虫剤のツンとした匂いをつけることなく、衣類に上品な天然アロマを移しながら防虫できます。
- 枕元・ピローケースの中:就寝時に枕元に置いたり枕カバーの隙間に差し込むことで、自律神経を整え安眠をサポートします。
- インテリア・ディスプレイスタイリング:アンティーク調のグラスに数本立てて玄関やトイレに飾る、ドアノブやフックにリボンで吊るすなど、空間を彩るおしゃれなアクセントになります。
【プロの結論】クラフトを通じた暮らしの整え方と向き不向きの判断基準
ラベンダースティック作りは、単なる手芸の枠を超え、指先を動かしながら天然の芳香をダイレクトに吸い込むことで脳疲労を緩和する「アロマテラピー×マインドフルネス」の側面を持っています。しかし、作業の特性上、向き不向きが存在します。
- 向いている人:季節の手仕事やハーブ栽培を楽しみたい人、市販の人工香料が苦手でナチュラルな防虫・芳香剤を求めている人、丁寧な暮らしのクラフト体験でリフレッシュしたい人。
- 慎重になるべき人・注意が必要な人:フレッシュラベンダーが手に入らない環境にいる人(完全ドライフラワーでの代用は不可)、猫などの精油代謝が苦手なペットを完全室内飼いしている家庭(誤飲や濃厚な接触を避ける配慮が必要)。
【ラベンダー スティック の 作り方】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:花が完全に満開になって散りかけていますが、スティックにできますか?
A1:満開を過ぎた花は、茎を折り曲げたり編み込んだりする振動で花粒がほとんど脱落してしまい、中身がスカスカになってしまいます。満開になったラベンダーはスティックではなく、花穂を摘み取って通常の「サシェ(匂い袋)」や「バスハーブ」として活用することをおすすめします。
Q2:リボンの表裏がどうしても逆になってしまいます。どうすればいいですか?
A2:片面だけに光沢がある安価なリボンを使うと、編み進めるうちに裏面が出てしまい見栄えが損なわれます。初心者の方は必ず「両面サテンリボン」を選んでください。両面に光沢があるため、多少ねじれても全く気にならず美しく仕上がります。
Q3:作ってから数日後にカビが生えてこないか心配です。予防策はありますか?
A3:収穫当日に雨が降っていたり、完成後に密閉された部屋やビニール袋に入れて保管するとカビが発生しやすくなります。編み上がった後は、直射日光の当たらない「風通しの良い日陰」に1〜2週間吊るし、芯までしっかり自然乾燥させてください。エアコンの風が通るリビングなども乾燥に適しています。
Q4:庭にラベンダーがない場合、どこで材料の生花を手に入れられますか?
A4:5月〜6月のシーズン期間中は、メルカリなどのフリマアプリや農家直販サイト(食べチョク・ポケットマルシェ等)で「ラベンダースティック用 生花(切り花)」として茎の長いフレッシュ品が出品されています。注文時に「スティック用に茎を20cm以上残してほしい」とリクエストするとスムーズです。
まとめ:初夏の恵みを閉じ込める一生モノのハンドメイド習慣
ラベンダースティック(ラベンダーバンドルズ)は、収穫時期と「奇数本数」の幾何学ルールさえ押さえれば、誰でも100均の材料を使ってわずか30分ほどでおしゃれに作り上げることができます。
生花のしなやかさを利用して編み上げたスティックは、数年が経過しても指で優しく揉むだけでいつでも初夏の爽快な香りを蘇らせてくれます。庭やベランダでラベンダーが蕾を膨らませたら、ぜひお気に入りのリボンを手に取って、季節の恵みをぎゅっと閉じ込める手仕事を楽しんでみてください。 (出典: ラベンダー スティック の 作り方(Yahoo!ニュース))