ひらがな駅「みの駅」の歴史と現在地|駅名改称の真相から周辺観光まで徹底解剖
四国旅客鉄道(JR四国)予讃線に佇む、全国的にも珍しいひらがな表記の「みの駅(香川県三豊市)」。のどかな讃岐平野の田園風景の中にぽつりと佇むこの駅は、鉄道ファンのみならず、四国八十八箇所巡りやローカル線の旅を楽しむ旅行者からも静かな注目を集めています。かつて漢字表記の「高瀬大坊駅」として誕生したこの駅が、なぜひらがな2文字の駅名へと生まれ変わり、2026年現在の地域交通の中でどのような役割を果たしているのでしょうか。
ネット上には岐阜県にかつて存在した名鉄の「旧美濃駅」との混同や、所在地の誤認情報も散見されます。本稿では、現地取材の証言や公的記録、鉄道運行データを基に、駅名の由来や歴史的変遷、ダイヤ・運賃といった実用情報、さらには周辺の見どころや撮影スポットまで、その真相と魅力を多角的に解き明かします。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:1952年に「高瀬大坊駅」として開業後、1994年に当時の三野町(みのちょう)の要望でひらがなの「みの駅」へ改称された歴史を持つ。
- 要点2:岐阜県の廃線遺構「旧美濃駅(名鉄美濃町線)」とは全くの別物であり、香川県三豊市に位置するJR予讃線の現役無人駅(駅番号:Y15)である。
- 要点3:周辺には旧駅名の由来である「高瀬大坊(本門寺)」や道の駅「ふれあいパークみの(天然いやだに温泉)」があり、里山と予讃線特急を望む撮影地としても高い価値を持つ。
【改称の真相】なぜ「高瀬大坊」から「みの駅」へ?歴史と駅名由来の全貌
JR予讃線の「みの駅」は、最初から平仮名表記だったわけではありません。そのルーツは1952年(昭和27年)1月27日、日本国有鉄道(国鉄)の駅として開業した「高瀬大坊駅(たかせだいぼうえき)」に遡ります。駅名は、駅から南東へ約1kmほどの場所に位置する名刹・讃岐本門寺の通称である「高瀬大坊」に由来していました。半世紀近くにわたり、地域住民の生活路線として、また寺院への参拝客を運ぶ足として親しまれてきた歴史があります。
転機が訪れたのは1994年(平成6年)12月3日のことでした。当時の一帯の自治体名は三豊郡「三野町(みのちょう)」。町の中心駅としての存在感を高め、町内外へのPRとイメージアップを図るため、町側の強い要望を受けて「みの駅」へと改称されました。漢字の「三野」ではなく平仮名の「みの」が採用された背景には、子どもから高齢者まで一目で読める親しみやすさと、当時全国的なブームとなっていた平仮名駅名によるソフトな地域発信戦略がありました。
改称記念式典では、駅名と同じ名前の縁からタレントのみのもんた氏が一日駅長に招かれ、全国的なワイドショーや報道番組でも大きく取り上げられるなど、平成初期の地方創生・話題作りの象徴的な出来事として地元で今なお語り継がれています。その後、2006年の平成の大合併によって三野町は周辺自治体と統合し「三豊市」となりましたが、駅名にはかつての町名と地域の誇りが刻まれ続けています。
【徹底比較】香川「みの駅」と岐阜「旧美濃駅」の違い|ネット検索の混同を是正
インターネット上で「みの駅」や「美濃駅」と検索する際、多くのユーザーが直面するのが「香川県のJR駅」と「岐阜県の廃線遺構」の混同です。鉄道の歴史や観光目的で調べる際には、両者の決定的な違いを把握しておく必要があります。以下の比較表に客観的なデータをまとめました。
| 項目 | 香川県:JR予讃線「みの駅」 | 岐阜県:名鉄美濃町線「旧美濃駅」 | 編集部の見解・判別ポイント |
|---|---|---|---|
| 所在地・路線 | 香川県三豊市三野町下高瀬 (JR四国 予讃線・Y15) | 岐阜県美濃市広岡町 (名古屋鉄道 美濃町線 ※廃線) | 現役の鉄道路線か、保存記念館かの根本的な違いがある。 |
| 営業ステータス | 現役営業中(無人駅) 普通列車が停車 | 1999年廃止 駅舎・プラットホームを静態保存 | 切符を買って列車に乗降できるのは香川県の「みの駅」のみ。 |
| 施設・構造 | 単式ホーム1面1線 簡易待合所(駅舎なし) | 大正12年建築の木造洋風駅舎 名鉄の歴代路面電車を展示 | レトロ建築鑑賞なら美濃市、ローカル乗車体験なら三豊市へ。 |
| 主な見どころ | 高瀬大坊、ふれあいパークみの、いやだに温泉、讃岐路の田園風景 | 国登録有形文化財の駅舎、モ510形・モ600形車両、うだつの上がる町並み | 目的が「名車保存・建築見学」か「四国巡礼・温泉観光」かで明確に分かれる。 |
一部のキュレーションサイトや個人ブログでは、誤って「愛媛県四国中央市にある」と記載されているケースも見受けられますが、これは香川・愛媛県境付近の地理的錯覚による誤報です。みの駅の正確な所在地は「香川県三豊市三野町」であり、讃岐うどんの聖地や父母ヶ浜(ちちぶがはま)などがある三豊エリアの玄関口の一つとなっています。
【2026年最新事情】みの駅のアクセス・時刻表・運賃の実態と利用時の注意点
2026年現在のダイヤおよび運行体制において、みの駅を利用する際はローカル無人駅ならではのルールと列車本数の把握が欠かせません。JR四国の運行計画に基づき、実用的な交通データを整理しました。
みの駅には特急「しおかぜ」「いしづち」などの優等列車は停車せず、普通列車のみが停車します。日中の運行本数は上り(高松・多度津方面)・下り(観音寺・伊予西条方面)ともに1時間に1本程度となっており、通勤・通学時間帯を除けば比較的のんびりとした運行間隔です。主要駅からの所要時間と片道普通運賃の目安は次の通りです。
- 高松駅から:予讃線普通列車で約55分〜1時間10分(片道 950円前後)
- 多度津駅から:普通列車で約10分〜12分(片道 260円)
- 観音寺駅から:普通列車で約15分(片道 330円)
利用時の最大の注意点は、みの駅が完全な無人駅である点です。ホーム上に自動券売機や自動改札機は設置されていません。予讃線の高松〜観音寺間はICOCAエリアに含まれているため、駅に設置された簡易ICカードリーダーにタッチすることで交通系ICカード(ICOCA、Suicaなど)での乗降が可能です。ただし、チャージ機は駅構内にないため、乗車前に残高を十分に確保しておく必要があります。現金乗車の場合は、ワンマン列車の整理券を取って降車時に車内精算するか、車掌から乗車券を購入する形となります。

【周辺観光&撮影スポット】高瀬大坊から「いやだに温泉」まで歩く旅情
みの駅周辺は、讃岐の歴史と雄大な自然が調和した魅力的なスポットが点在しています。駅から足を延ばして訪れたい主要な観光地と、鉄道愛好家に人気の撮影スポットを紹介します。
駅の旧名となった「讃岐本門寺(高瀬大坊)」は、駅から徒歩約15分(約1.2km)の場所にあります。日蓮大聖人の直弟子である日華開山と伝わる古刹で、広大な境内には香川県指定有形文化財の木造釈迦如来立像をはじめとする貴重な寺宝が遺されています。春には見事な桜が咲き誇り、秋には紅葉が境内を彩るなど、四季折々の静謐な美しさを堪能できます。
また、駅から車やタクシーで約4分、三豊市コミュニティバスを利用してアクセスできるのが道の駅「ふれあいパークみの」です。四国八十八箇所第71番札所「弥谷寺(いやだにじ)」の山麓に位置し、敷地内には天然温泉「いやだに温泉 大師の湯」が併設されています。弘法大師ゆかりの霊峰を望みながら浸かる天然温泉は、旅の疲れを癒やすのに最適です。物産館では三野町特産のフルーツ(ピオーネやボイセンベリーなど)を使ったスイーツや地元の新鮮野菜が購入でき、連日多くの観光客で賑わっています。
さらに、鉄道ファンの間でみの駅周辺は優れた鉄道撮影スポットとしても知られています。駅前後に広がるストレートの線路と讃岐富士をはじめとするお椀型の山々は、四国特有の叙情的な風景を描き出します。特に、振り子式特急電車である8600系や8000系が田園風景を高速で駆け抜けるシーンや、夕暮れ時にひらがな駅名標「みの」をシルエットにしてローカル気動車・電車を捉えるアングルは、鉄道写真愛好家から根強い支持を集めています。
【実態検証】利用者の生の声と現場目線で見えたローカル線のリアル
実際にみの駅を訪れた旅行者や鉄道愛好家、地域住民のリアルな証言を検証すると、この駅が持つ独特の魅力とローカル線ならではの実情が浮かび上がってきます。
SNSや旅行コミュニティでは、「ひらがな2文字の駅名標がとにかく可愛らしく、記念撮影にぴったり」「周りに高い建物がなく、讃岐の青空と水田がどこまでも広がっていて心が洗われる」といった、のどかなロケーションを高く評価する声が圧倒的です。無人駅特有の静けさや、風の音と列車の接近警報音だけが響く空間に、都会では味わえない癒やしを見出す旅人が少なくありません。
一方で、現場の利便性に関しては注意点も指摘されています。「列車の本数が1時間に1本なので、乗り遅れると周辺で時間を潰す場所に困る」「駅前には大型のコンビニや飲食店がなく、自動販売機がある程度」といった声が見られます。観光で訪れる場合は、あらかじめ三豊市のコミュニティバス(三野線など)の運行時刻を綿密に確認しておくか、タクシーの迎車手配、あるいはレンタサイクルの利用を計画しておくことが快適な旅の鍵となります。

【プロの結論】旅の目的別に見る「みの駅」が向いている人・注意すべき人
以上の調査と現地データに基づき、みの駅の訪問をおすすめできる旅行者と、慎重な計画が必要な旅行者の明確な判断基準を提示します。
◎ 訪問を強くおすすめできる人
- ローカル線の旅情と珍しい駅名を愛する人:全国的にも珍しい平仮名駅名標との記念撮影や、讃岐平野の美しい田園景観をじっくり楽しみたい方。
- 四国遍路や歴史散策を目的とする人:高瀬大坊(讃岐本門寺)への参拝や、第71番札所・弥谷寺と「大師の湯」を巡る静かな休日を過ごしたい方。
- 鉄道撮影ファン:予讃線の特急列車や普通電車を、讃岐の山並みを背景にすっきりと撮影したい方。
▲ 計画・準備に注意が必要な人
- 駅前でのショッピングやグルメを期待している人:駅前は閑静な住宅と田畑が中心です。飲食や物産購入は「ふれあいパークみの」や多度津・観音寺の市街地まで移動する必要があります。
- 分刻みのタイトなスケジュールで移動したい人:特急が停車せず普通列車が中心のため、列車の待ち時間を含めた余裕のある行程管理が不可欠です。
【み の 駅】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:みの駅に特急列車(しおかぜ・いしづち)は停車しますか?
A1:特急列車はすべて通過します。普通列車のみが停車するため、特急を利用する場合は隣の停車駅である「多度津駅」または「観音寺駅」「詫間駅」などで普通列車へ乗り換える必要があります。
Q2:駅構内でSuicaやICOCAなどの交通系ICカードは利用できますか?
A2:利用可能です。駅構内に簡易改札機(タッチリーダー)が設置されています。ただし、駅で残高チャージを行うことはできないため、乗車前に十分なチャージを済ませておくことを推奨します。
Q3:岐阜県の「美濃駅」とはどのような関係があるのですか?
A3:直接の路線的な関係はありません。岐阜県美濃市にあった「美濃駅」は名鉄美濃町線の終点として1999年に廃止された駅(現在は駅舎保存施設)です。香川県三豊市の「みの駅」はJR四国予讃線の現役無人駅であり、旧三野町に由来する全く別の駅です。
Q4:みの駅から道の駅「ふれあいパークみの」へのアクセス方法は?
A4:駅から車・タクシーで約4分(徒歩だと約25分〜30分)です。また、三豊市のコミュニティバスを利用してアクセスすることも可能です。
まとめ:歴史と自然が息づく「みの駅」を味わい尽くすために
香川県三豊市三野町に位置するJR予讃線「みの駅」は、古くからの名刹「高瀬大坊」への参拝路としての記憶を受け継ぎつつ、地域の願いを込めて平仮名表記へと生まれ変わった歴史ある小駅です。岐阜の廃線遺構との混同といったネット上の誤解を超えて現地を訪れると、そこには四国の豊かな風土と、温もりあふれるローカル線の原風景が広がっています。
ICカードの準備や普通列車の時刻表確認といった基本的なポイントを押さえれば、高瀬大坊の境内散策や「いやだに温泉」での湯浴み、田園地帯を駆ける列車の撮影など、味わい深い旅を満喫できます。四国の鉄道史と讃岐路の魅力を肌で感じる旅の目的地として、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。 (出典: み の 駅(Yahoo!ニュース))